適切な質問で人の心を動かす  |京都・アイデンティティブランディング

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適切な質問で人の心を動かす

適切な質問は、敵を作らずして人を動かす事ができる…もしかしたら唯一の方法かもしれません。

考え方の抽象度が高い…つまり、高い場所から全体を俯瞰して物事を冷静に判断しようとする方々は、必ずといっていいほど「本質」を見ようとしています。町づくりにしても、会社経営にしても、問題点に対して見て見ぬ振りをせず、しっかりと受け止めて解決に望む。そういう方とお出会いするととても心を動かされます。

ところが…困ったことに、本質というのは、直接的なメッセージで投げかけてしまうと、時に敵を作ることがあります。それが正論であっても…です。むしろ、正しければ正しいほど、嫉妬や心理的な反発心(プッシュバック)、価値観の違いが表に出てしまい、議論が前に進まないことがしばしば。

ではどうしたらいいのでしょうか?

私は日本メンタルヘルス協会に所属されているマナー講師の方、テクニックではなく人としてのあり方を磨いて根本的な経営改善を実現した経営者の方など、多くの方から色々な事を学びましたが、ほぼ共通している事柄があります。

それが「質問」です。

行動できる他人が羨ましい

先日もこんな話を耳にしました。

ある地域での話。ほとんどの商店や業者は経済的に苦しい状況にあるのですが、その中にある一つのホテルだけは業績を伸ばしています。もちろん、そのホテルの従業員さんが出来る行動は率先して行い、努力している結果だそうです。

そんな中、同じ地域の住民が、陰でそのホテルに嫉妬心を感じ、「地域内で単体の事業所だけが儲かるのはおかしい」と言ったのだそうです。

ところが、その住民自身は、自分で何か行動をしているかというと…残念ながら何もしていない。悲しい話ではありますが、現実だそうです。

「他の事業者の陰口を言っていないで自分も行動したら?」普通はそう言いたくなるようなケースでしょう。ところが、私にその話をしてくださった方は、そうは言わなかった。このように、そっと投げかけたそうです。

「なるほど、そうですね。ところで○○さんも、近々何か行動を起こす予定とかあるのですか?」

そう質問された、その住民は、一瞬言葉に詰まり、

「・・・いや、うちも、ちょっと新しい商売を考えてはいるんだけど・・・」

この言葉がどこまで本当か分かりません。が、あながち嘘でもなさそうだった、とのことです。つまり、行動を起こしたい気持ちはわずかにあるが、なかなかできない。そんな中、どんどん結果に結びつけるホテルを横目に見て、うらやましいという気持ちがあったわけです。

相手の立場に立たなければ目的がすり替わる

仮に、この本質をそのままぶつけていたら、おそらく反発心が前にたってしまい、コミュニケーションがそこで途絶えてしまっていたでしょう。それを、質問という形に変換することによって、なぜか言葉に丸みが出るばかりか、本来大切なことに気づかせることができるのです。

実際、この話は、この住民の方が自らの力で行動を起こす、という部分が最も重要なわけで、決して住民の方の「妬みの感情」を指摘することが目的ではありません。私もよく耳にしますが、人の間違いを指摘するのを趣味にしているかのような人がいます。「俺が言ってやった」というケースです。相手のためではなく、ただ言いたいことを言うのが目的、という状態にすり替わってしまうのです。

ですが、それは建設的ではない、仮に正論だったとしても、です。まして地方は、地域全体が同じビジョンを見なければ将来が危ういとも言える状態。個人や事業所が自分のことだけを考えていると、町単位でどんどん疲弊が進み、やがては…これ以上は言うまでもないでしょう。となると、間違いを指摘し続けることではなく、受容の心を持って人に接し、心と心を合わせ、共に行動していくしかない…と個人的には考えています。

質問はテクニックではなく…

私はこのお話をお聞きして、心底「なるほど!」と思いました。質問は、テクニックではないと思います。なぜなら、相手の負の感情を受け入れようという心構えがないと出来ないことだからです。愛情があるというか・・・普通、誰かが他人の陰口をたたくのは聞いていて気持ちのいいものではありません。それを、ただの同調ではなく、心で受け止めるからです。

私も日々、多くの方の素晴らしさに触れ、気づかされる事ばかり。今後も適切な質問をし、多くの方と心を通わせながら、地域の将来を希望の中で描けるようになりたいものです。

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