ブランディングって一体? 自惚れ?等身大?
ブランディングとはファクトである。
TPIEとの出会い以来、尊敬している科学者・苫米地英人さんの教えです。ブランディングとは「企業が顧客にとって価値のあるブランドを構築するための活動」と言われています。自分たちの商品・サービスのブランド価値を構築する、ということです。
また、ファクトとは「実際に起きたこと」を指します。
いつからか、私たちの業界ではとくに、ブランディングという言葉をよく耳にするようになりました。いつから言われているのか正確には分かりませんが。
その「ブランディング」という言葉の概念について、苫米地さんは「ファクトである」と言っています。つまり、ブランディングとは、実際に起きたことや実際の行動そのものであるということです。
ブランディングとマーケティング手法の違い
これを、私なりに解釈してみました。
広告業に携わっていると、当然ブランディングというのは大切な概念になります。ただ、私は以前からこの言葉の使われ方に違和感がありました。どことなく本質から離れ、「もともと売れない商品を売れるようにすること」だったり、「実際よりも良く見せるテクニック」のように感じていたためです。
以前から私は、パーソナルブランディングでも企業のブランディングでも、自惚れでもなく、過小評価でもない、それでいて一定の自信がある状態が理想と考えていました。それを的確に表した言葉が苫米地さんの教えでした。
つまり、ブランディングとは個人や企業の実際の行動そのものを、他人が見て正当に評価すること、ということです。
それを、マーケティングの手法…つまりキャッチコピーなり、ビジュアル的な広告デザイン等であたかも素晴らしいもののように見せるというのは、本質的なブランディングとは異なることになります。
ブランディングとは結果を出すこと
例を挙げてみます。
業務用PCシステムを扱うA社が、どこにでもありそうなごく平凡な商品開発をしていたとします。このシステムを導入した企業もあるが、利用者の反応は、可もなく不可もなく…という程度。
そんなA社が「御社の業務効率が飛躍的に向上!」とかいうキャッチコピーでパンフレットを作ったとしたらどうでしょうか?残念ながら飛躍的に向上はしていません。つまり、ウソの範疇であり、間違った広告活動です。
「飛躍的に向上」という言葉を使っていいのは、実際にA社のシステムを導入した企業が「効率が飛躍的にアップした!」という反応を示しているときだけです。
ブランディングとは、「飛躍的に向上」というキャッチコピーを使って広告を施していくことではなく、実際に導入した企業から「効率が飛躍的にアップした!」という声が届くこと、そのものです。
つまり、結果を出すこと、それこそがブランディングであり、巧みな言葉やデザインで実際よりも良く見せる作業のことを指すのではありません。本質的な結果を出せば、必ずといっていいほど「口コミ」が起きます。A社のシステムは結構いいよ、と。
そして、実際に出した結果は、堂々と表に出していいのです(もちろん、様々な都合で外部にPRできない場合は別です)。実際に出した結果=ファクトは、事実であり、それを公表するのは自惚れではありません。
まあ、日本人は自慢する人を嫌うので、堂々と出すことがマイナスになることもあるとは思いますが…。
広告の役割は背中を押すこと
実績よりもキャッチコピーや見た目のデザインに注力しすぎると、足元から事業が崩れることがあります。とても悲しい話ですが。
キャッチコピーやデザインが力を発揮するのは、目の前にファクトがあるときだけです。実際には、本当に良い商品やサービスを提供しているのに、その存在があまりにも知られていないという例がよくあります。
その本当の良さをPRするのは、自惚れではありません。そして、その本当の良さ見つけて「本当に、いいものですよ」と背中を押す役目・・・それが私たち広告業の仕事だと思います。
ということで、私はファクトがないと広告はできない、と考えているため、現在このサイトには自社PRをするような内容をほとんど書いていません…?(おっと、実際には自社サイトを更新してないだけ、というズボラの結果でした)
今後も私は、企業ブランディングはもちろん、私自身のパーソナルブランディングも「行動そのもの」で評価されるよう、努めていきたいと思います。もちろん、サイトもしっかり作らないといけないのですが…?