
経営理念・ビジョン策定コンサルティング 社内ブランディング実績
鋳物鋳造の会社である株式会社シオノ鋳工様における、経営理念およびビジョン、タグライン策定のコンサルティング、成文化提案、社内ブランディングの案件です。
理念を更新し続けるという理念
シオノ鋳工様は江戸時代から続く鋳物製造の会社。現社長である塩野浩士さんは、20代の頃に自社の製造ラインを徹底的に見直し、実際に効率化・クリーン化を図ってこられた実力派。そんな塩野社長が「会社がより成長していくためにも全員で共有できる明確な基準が欲しい」とおっしゃられた事がきっかけで、経営理念の作成を支援することになりました。
理念といっても漠然としたものなので、当初はなかなか明確にならなかったのですが、ある日突然腑に落ちる瞬間がやってきました。過去、無意識のうちにやってきたことを掘り下げる中で、塩野社長が突如思い出した言葉、「日々挑戦」。社長自身の姿勢を表した言葉です。
この言葉にメンバーも納得。自分たちに流れている共通の価値観だと気付いたのですが、それと同時にメンバーにある違和感が芽生えました。「理念を固定化するということは、より高いベストを追求することと矛盾するのでは?」私は非常に鋭い洞察に感銘を受けながらもこうお伝えしました。「常にベストを追求する、という姿勢こそが、御社の理念なのではないでしょうか?」
このようなくだりを経てメンバーは、「日々挑戦」という姿勢が自分たちの根本理念であると発見できたのです。
自分たちから導き出した言葉
その後、経営理念は事業目的や社会的価値を含んだ言葉にするべき、という命題を掲げ、「日々挑戦」の概念をもとに、試行錯誤を繰り返しました。「自分たちは何に挑戦し続けるのか?」「自分たちが考える幸せとは何か?」などを、全社員にインタビューするなど積極的な活動が実り、最終的に経営理念「要(かなめ)」というフレーズに辿りついたのです。 その後、経営理念を作成して終わりではなく、いかに浸透させるか?をメンバー全員で検討。経営理念発表会を社員主導で企画したり、鋳物で経営理念のオブジェを製作するなど企画が上がりはじめました。自分たちが導きだした理念だからこそ活用していける、という好例となりました。
3つの要を創り出すあり方を表現した経営理念・ビジョン
理念を掘り下げる中で、日々挑戦し、成長できることこそが人間の幸福である、という定義に辿りついた。その後、その成長と幸福の行く先に何があるのか?を考え、シオノ鋳工そのものが社員の幸せの要となること、そしてそこで成長した人が地域社会の要となる、というイメージに至った。さらに、シオノ鋳工で生産されている鋳物は、水道管やエレベーターの部品、建設機械など、生活インフラに関わるものが多いことから、生活の要という意味も込めた。