火星を肉眼で見るよりも難しい。
世界に点在する秘境、
大気圏の外側にある宇宙の神秘でさえ、
「自分の肉眼」で見ることができる可能性はある。
ところが、
「自分の顔」だけは、
自分の肉眼で見ることはできない。
一生、不可能。
自分を見るには、写真や鏡に頼るしかない。
自分というものは見えないもの・・・。
それは、心や人格という意味でも同じ。
心や人格を鮮明に、物理的に映し出す
鏡のようなものは、
まだ発明されていない。
発明されていない以上、
「自分」というものの心や人格を知る手がかりは、
自分の身の回りに起きるファクト(事象・現実)からしか
知ることはできない。
つまり、自分を知るというのは、
自分がどう見えているのか、
周囲にはどう感じられているのか、
どのように思われているのか、
社会や世界にどう自分が影響しているのか、
を知ることとイコールということになる。
自分というものは、周囲の中で・・・社会の中で・・・
世界の中で・・・どういう存在なのか?でしか
説明できない。
「自分が知っている自分」が
自分だと思い込んでいる人は、
無数にいる。
その結果、大量の人間が、
「自分には価値はない」と思い込んでいる。
(特に日本人は?)
自分に価値が感じられない人は、
時に卑屈になったり、
自分の考えに沿わない人に攻撃的になる。
自分を見るということは、
火星を肉眼で見るよりも難しい。
【すべての人にアイデンティティを】