Seika Town Kyoto
知っているようで知らない精華町
その魅力を再発見するWEBマガジン
写真/わくわく嶽山広場からの眺望
07 | July 2026

嶽山と周辺の自然

嶽山だけやま

 早春の山、遥か2595mの頂上には少し雪が…夢か?21年前に光台へ引っ越した時の初夢です。
 精華町の最高峰・嶽山は標高259.5mのずんぐりした山で、打田うったから登った山の頂は周りを木々で囲まれ眺望なし。東に東畑神社と専光寺、南は鳥谷池とりだにいけ、西は道路で北は松頭峠まつがしらとうげから夜泣き地蔵を経て蟹満池かにまいけを通り集会所へ。この地蔵は寂しい所にあるので泣く子を連れて行くと余計に泣くのでは?

 嶽山へは鳥谷池から登り専光寺方面へ下るのがお薦めです。イノシシ除けの門を開け閉めして広場に出てベンチに座り、若草山方面を眺めながらのんびりします。光台から毎日セコイアメスギとメタセコイアに会いに歩く人がいます。

わくわく嶽山広場からの眺望

 2014年4月、山と広場の所有者と覚え書きを交わして嶽山整備プロジェクト事業が始まりました。専光寺西にある広場の草刈りと山頂までの道を、翌年は鳥谷池からの道を作り始めました。

登山道入口のセコイアメスギとメタセコイア
鳥谷池からの登山道づくり

 七〇代半ばまでは光台の家から嶽山往復のランニングで一時間を切るのが目標でした。住み始めた頃はクロスカントリーを楽しむ人に出会う事は滅多にありませんでしたが、最近は鳥谷池を越えて走る人々やサイクリングを楽しむ人達が増えました。野山を走ると五感が研ぎ澄まされます。

アサギマダラなど

 5年前に嶽山広場の一部の草刈りを止めると、京都府絶滅危惧種のオグルマが咲きました。この場所をロープで囲い、残りにフジバカマを植えると翌年の10月にアサギマダラが飛来!毎年の手入れで3畝以上に増やすと、昨年は8匹でこれまでに来たチョウが20種類になりました。アサギマダラの適温は20度前後なので10月中旬から下旬に姿を現します。温度が上がると周りの木陰で休み、しばらくすると戻ってきます。今年は何匹来てくれるでしょうか?

オグルマとアサギマダラ

 3年前の10月は気温が上がり、避暑のためでしょうか羽根にマークのついたのが生駒山から飛んで来ました。解読すると「生駒山、8番目、Anja Sliwa,10月13日」と書かれています。Anja Sliwaさんは大学でドイツ語の講座を持ちながら、生駒山・六甲山などで多数のアサギマダラにマークを付けています。

 イシガケチョウは高い木の中に入っている事が多く、時々ヒラヒラと舞い降ります。イヌビワやイチジクなどを食べてどうしてこのような羽根になるのか不思議でたまりません。
 アカタテハは食草のイラクサが周りに生えているので姿をよく見かけます。水尾と大原野のフジバカマ祭りが無くなりました。アサギマダラのルートが変わり、嶽山に多数が来て乱舞するのを夢見ています。嶽山と広場は私有地です。植物などは写真に撮って楽しみましょう。

イシガケチョウ

キツネなど

 東畑の畑地で様々な動植物に出会います。草が揺れサーッという音がしてキツネが走り去りました。カメラを構える余裕がありません。このキツネにWindという名前を付けて毎朝通いました。ある日、右の方からキツネが走ってくるのが見えたので立ち止まると、曲がり角で一瞬止まり私を見ました。ようやくシャッターを押せました。

コギツネ

 春は毎日のように通い3年が経つと、チラッと私を見て何事もないように食べ物を探しています。受け入れてくれた瞬間でした。近づかずに見ていると子ギツネも姿を現します。「元気でね!」と言って歩き出し振り返ると、キツネが曲がり角まで来て座って見送ってくれています。

 別の日にイノシシが歩いて来たので、私は木のようになり静かにしていると、何となくこちらに目を向けながら草むらに消え去りホッとしました。透明人間になった気分です。

イノシシ

 他にアライグマ、ノウサギ、キジが目を楽しませてくれ、コガネグモが獲物に糸を吹き出すのは歌舞伎を見ているようです。

 鳥谷池の道の近くでカイツブリが子育てをしているのにビックリ!すぐ側でクワを担いだ人や軽トラックが通る所です。

カイツブリ親子

 ある日、巣が消えました。畑で作業をしている人に尋ねると、昨日の行きは巣を見たが帰りに消えていたとのこと。付近を探すと、対岸の人通りの少ないヨシの中に移動していました。巣を運ぶ所を見たかった!

鳥谷池

 鳥谷池近くにある畑の斜面でコバノタツナミソウが咲きます。残念ながら草刈りで消える事がありますが、見て欲しい植物です。
 海岸沿いに生えるのが何故ここに?精華町史を見ると「精華町域を含む京都盆地や奈良盆地一帯には、大阪湾方面から海水が浸水して、海の底になることがたびたびあった」と書かれています。

鳥谷池 日の出

 冬になるとマガモ・カワウ・カルガモや、獲物を狙うノスリなどの猛禽類に出会う事があります。
 突然、背後から飛行機が急降下する音が聞こえビックリしてしゃがみ込み振り返ると、タカに追われたカルガモの群れが池に飛び込み、大きな水音としぶきが上がりました。

マガモ・カワウ・カルガモ

 昔は山麓で磨き砂の白土を採掘していましたが、この土は海水や湖の影響でできたのでしょうか?白土を採掘して粉にする工場跡が「みんなの元気塾」近くにあり、家の横にトンネルで使っていたトロッコのレールが何本か置いてあります。

トロッコのレール

 近所の人に聞くと、子どもの頃に白土堀りを手伝っていた事があったそうです。東畑分校に4年生まで通い、5年生から乾谷の山田荘小学校まで歩いたとのこと。遠足はあやめ池までゴザを持って往復を徒歩で!

自転車ロードレース

 毎年5月になると国際自転車ロードレースの一つ「ツアー・オブ・ジャパン」の京都ステージが開かれ、嶽山近くの急坂が見所の一つです。一周してプラザに戻る道は狭い所があり、レースの時以外は車が走っています。
 サイクリングを楽しむ場合は早春の朝、5時頃がお薦めです。ウグイスの声を聞きながら風を切って走るのは至福のひととき。

ホタル

 東畑にホタルが生息しています。数が少なく絶滅寸前なので見るだけにして下さい。運が良いとササユリやアジサイの花に止まるゲンジボタル!水田にヘイケボタルが僅かながら飛んでいます。

ゲンジボタル

 暗闇の中で突然「ギャーッ」という大きな声がしてビックリ、付近を見回すと、シラサギが木陰から飛び出しました。嶽山と周辺を歩いている時は子どもの頃にタイムスリップした感じがします。

シラサギ
嶽山だけやま

精華町民ライター
プロフィール

安長 義高Yoshitaka Yasunaga

光台在住21年。退職後、光台周辺を徒歩・ランニング・サイクリングの半日で行ける80コースを作る。最長は嵐山往復93km。2015年からわくわく嶽山プロジェクトの環境整備活動に参加。モニタリングサイト1000里地調査の市民調査員。

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