アイデンティティブランディング

ご相談内容会社を良くするための
方向性を定めたい

経営者様にとっては、時にどういう方向性で会社を経営すればいいか、道標が必要と感じることもあると思います。日々の業務に問題は無くとも、長期的な経営を考えると会社の方向性は非常に重要だと考えています。

ACHIVEMENT
主な実績

製造業「人の成長」を軸にした
経営理念を策定
宿泊業経営理念および
ブランドコンセプトを策定

「迷わずに突き進める」ことの重要性

現代は答えがない時代に突入しています。そんな中、自分の会社が重視する考え方があるかないか、は大きな要素になります。二代目・三代目経営者の方にとっては特に重要と言えるでしょう。迷っている時間が多いほどに無駄が生じますし、物事を決断できず先送りになると経営としては様々な問題が起きるからです。

弊社では会社の本質的な考え方をしっかり整理し、一貫性のある考え方を社内全体に浸透させていく「インナーブランディング」を重要視しています。より気持ちよく、充実感を持った経営のために、とても大切にしたい考え方です。

会社の方向性を定めるための項目

一言に方向性を定めるといっても、非常に抽象的で難しいと感じることも多いのではないでしょうか。その手法は様々ですが、ここでは弊社が支援している方法論をご紹介いたします。

会社の方向性を定めるための項目

  • ①経営者および主要メンバーのコアを知る
  • ②自社の強みとDNAを探る
  • ③お客様価値を知る
  • ④自社の仕事の本質を知る
  • ⑤経営理念を策定する

経営の方向性を示す最高峰はやはり「経営理念」です。上記は経営理念を導き出すまでのプロセスを大きく5つに分けてみました。弊社では経営理念策定までのすべてのプロセスについて1つ1つ伴走支援し、引き出すお手伝いをさせていただいております。

経営者や主要メンバーのコアを知る

経営者様や主要メンバーの方それぞれの「譲れないこと」「そうでないと我慢できないこと」「突き動かされるようなエネルギー」「無意識のうちに重視している根本的な思い」などのことをコアと呼んでいます。「衝動」というと、分かりやすいかもしれません。

多くの場合、人生の中であった様々な出来事のうち、心に深く染み付いている事柄に着目します。なぜその時の出来事が記憶に残っているのか。どのような感情が湧いてくるかなど。その記憶にヒントがあります。

私たちがこれらの事象を、客観的に質問によって引き出していきます。そして、はじめのうちはバラバラの点だった記憶や思いが、やがて1つ1つつながっていくような感覚になることがあります。その、1本の線のようにつながる感覚に、その人のコアの正体があります。

コアはその人が生きていく上での根本ですので、そのエネルギーを経営に応用できるように掘り下げていきます。

自社の強みとDNAを探る

次に、自社がビジネスを行う上での強みとなっている部分を探っていきます。強みは、お客様価値を生み出す上で欠かせない要素です。とりわけ弊社が「DNA」と呼んでいる点は、「自社が出来ることの本質」と定義できます。強み・DNAが明文化されていれば、その強みを生かした戦略に強く打ってでることが可能です。

事例:KISSUIEN様「望まれることに対応する心意気」

京丹後市のホテル「KISSUIEN Stay & Food」では、様々な分析の結果、そのDNAが「望まれることに対応する心意気」であると分かりました。ホテル側が良いと思うことを押し付けるよりも、お客様の望み・要望に柔軟に、リアルタイムに対応していくという考え方です。

同ホテルのルーツを探ると、そもそも吉翠苑(創業時の屋号)は、地域の人たちが集まれる場所が必要だ、という強い要望が先にあり、吉翠苑という宴会場が出来たことが始まりでした。創業者が自分の好みでつくった場所ではなく、誰かに望まれて生まれた場所であるというDNAが、現在も残り続けているということです。

お客様価値を知る

強み・DNAが企業側の目線の観点であるのに対し、お客様価値は文字通りお客様目線での観点になります。人は、本質的には商品やサービスにお金を払っているのではなく、そこから得られる価値や便益にお金を払っています。このため自社がどういう価値を提供しているのかを知ることは重要です。

お客様価値を知ることでマーケティングやブランディングに活かせるだけでなく、自社の商品やサービスを磨いていく上での指標にもなります。

事例:住まいのトミタ様「人の動きに合わせた住まいづくり」

京丹後市の工務店「住まいのトミタ」は、新築での注文住宅を設計・建築する上で「人の動きに合わせた住まいづくり」が大きな価値となっています。新築なのだからそれは当たり前なのでは、と感じるかもしれませんが、意外にも「設計士が良いと思う家に合わせて人が住んでいる」ケースは多いのです。

トミタ様は施主様に寄り添った徹底的なヒアリングが特徴です。施主様がどのような生活をするのか。どういった動きで生活するのかをイメージし、それに基づいた設計を行います。それは施主様の言いなりになって作る家とは異なり、プロの目線から見てよりよい選択肢があれば提案し、最適解に近づけていくプロセスです。

自社の仕事の本質を知る

経営理念を策定する上でのもう1つの重要な観点が「自社の仕事の本質」です。

どの仕事にも「作業」と「本質」があり、何を本質とするかは同じ業種の仕事でも企業によって微妙に異なります。例えば前述のようなホテル業であれば、作業としてははチェックインの手続きや部屋の清掃などが挙げられます。しかしその本質は、訪れる人に「休息の場を与えること」であったり、「安全な場所を提供すること」であったりと、様々な観点が考えられます。

この本質を理解しないままだと、社員の仕事が単なる作業となってしまい、顧客への配慮のない行動を取ってしまうと考えられます。

事例:株式会社ヤマモト様「時代を満たす」

株式会社ヤマモト様は、板金・塗装および省力化設備の機械開発・製造を生業とする製造業の会社です。同社の仕事の本質は「時代を満たす」ことであると定義されました。

作業としては、板金の会社ですので、金属を曲げる、金属同士をくっつける、などの部品を製造することです。また部品を集めて機械として動くように組み立てることです。

しかし、それは何のためにやっているのか?というと「時代の(ニーズを)満たす」ためだという社長の考えがありました。同じ機械であっても、時代によってその精度や性能が変化します。現代が求める機能、性能、操作性などを満たせるのかどうか。現代に合ったセンスが感じられるのか。そういったことが満たせなければヤマモトの仕事ではない、という考えです。

生きた経営理念が会社を強くする

前述のとおり、様々な観点で自社を見つめ直した後、最終的に「経営理念」という1つの文言にそのすべてを集約します。経営理念は経営の最高目的であり、「何のためのこの会社をやっているのか?」を定義するものです。この経営理念と、そこにたどり着くまでのプロセスのすべてが、会社の方向性を示す道標となります。

経営理念の文言は非常に抽象的ですが、有ると無いでは大きな違いがあります。あえて例えるなら「北に向かうのか、南に向かうのか」というイメージでしょうか。これはざっくりした方向性ですが、北と南では正反対です。企業も、この方向性によって大きく左右されることが理解できると思います。

確固たる理念がある企業は、やはり強い組織、強いチームが形成されます。考え方に一貫性が生まれ、ブレないということは、意識の散漫さを無くし、迷いが晴れるからです。

事例:株式会社シオノ鋳工様「要」

京都府与謝野町のシオノ鋳工様は、鋳物製品をつくる製造業の会社です。ものづくり企業ではありますが、経営理念は「要」の一文字に定義することとなりました。

同社でプロジェクトチームを組み、上記で紹介したような様々な取り組みを経て見えてきたのが「人が成長できることこそ、この会社の存在意義である」ことが浮き彫りになりました。このことから、ものづくり以前に、人としての成長を重視すること、人が成長すればものづくりの精度もおのずと高まるという哲学が見えてきました。

同社では最終的に「社内や地域社会で要となるような人に成長すること」「社会生活の要となる仕事をすること」を掲げ、経営理念を「要」の一文字に集約しました。

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