経営理念を根本から考え、会社の価値を高めた２年間

社長からはじめてお声がけいただいたのが、2013年。その後シオノ鋳工様とは、自社を掘り下げ、改めて自分たちの価値を問い直す「インナーブランディング」から始まり、経営理念策定、ロゴ制作などの「コーポレートブランディング」、ホームページ、CM動画などの「カスタマーブランディング」、採用パンフレットなどの「採用ブランディング」、など、トータルでのブランディング活動をご一緒に進めさせていただいております。

当初７ヶ月の歳月をかけ、導き出した経営理念は「要」の一文字。自分は、会社や地域の要になれているか？を常に問う信念です。理念策定後は、１００名ほどの関係者を招き、経営理念発表会で信念を表明されました。
そして社長のコアにあった「成幸＝成長が幸せ」という考え方の素晴らしさを社員にも感じて欲しい、という思いを実現するため、さらに１年半。理念を社内に浸透させ、会社のブランド力を高める取り組みを繰り返しました。

意識の変化が、言動と結果に表れる

この取り組みの中で、社員様の意識にも変化が起き、社風や企業イメージも変化。当初入社希望者が集まりにくかった採用の面も、若い人財から応募が来るように。それまではなかった上場企業からの引き合いが来たりと、まさに会社全体の成長に向かって邁進されました。

取り組みを進める中で、幹部社員さんからこんなお言葉をいただきました。「この取組を行うまでは、自分の息子をこの会社に入れたいとは思わなかったけど、今では、この会社に入れたいと思うようになった。」　またある社員さんは、理念が正式決定する前の段階から「自分はこの仕事の"要"になれているか？と自問自答しながら仕事するようになった。」とおっしゃられていました。

このブランディングプロジェクトのあとも、シオノ様は独自に様々な学びを繰り返され、会社の業績的にも、個人的にも、素晴らしい成長を続けておられます。

ロゴに「人づくり」への信念を込める

ロゴデザインには、鋳物という立体物を生産する仕事であることから、シオノのＳを模した立体的な外観を採用。そして最も大切なのは、シオノ鋳工様の「人財こそが会社の要、会社は社員の幸福のためにある」という信念です。このことからロゴを鋳物製造の立体の型に見立て、中に「人」という漢字を込めることとしました。人が会社の要であり、中心に据えられた軸である、というイメージを目に見えるシンボルとして掲げた事例です。

このロゴはその後、看板や社用車、制服やヘルメットなどはもちろん、回転する立体ロゴを造られたり、会社のエアコンや熱帯魚の水槽につけられるまでに愛され、皆さんのシンボルとなっています。

「正確につくる」　強みの明確化

工場長をはじめとした皆様の尽力で、全顧客に「シオノ鋳工の価値」をインタビュー調査いたしました。その結果、９割以上の顧客から「正確性」に関連した評価をいただけたのです。「シオノさんは不良品が少なく、納期回答が正確」このことから、シオノの価値は「キッチリ、カッチリ、正確につくることができる」という点に到達しました。

これらの結果を受け、強みを広く発信するため、ウェブサイトを全面リニューアル。強みはもちろん、その根拠となる情報や、会社の考え方をしっかり打ち出すこととしました。また、工場の整理整頓が進んでいる、同社の雰囲気を感じていただくため、トップページは写真ではなく、ドローンでの俯瞰ムービーを挿入しています。

そして、シオノ鋳工の全社員様とともに創り上げた、映像CM。目を引くストーリーとインパクトは、展示会場等で流した際に話題になりました。出演者全員が本気の演技を行ったので、撮影現場で胸が熱くなるほどでした。BGMについても完全オリジナルで作曲。CMで使った曲や、最後の「シ〜オノ〜♪」のサウンドロゴは、社員様に協力いただき、一人ひとりの歌声を録音してハモリを表現。私たち制作側と、当事者である社員様が協力して創り上げることができました。

新工場・新商品開発に向けて

今もなお、成長を続けられているシオノ鋳工様。新分野にチャレンジする機械加工工場、カフェ、鋳物体験ラボの、現在建設準備が進行中です。この新工場パークのブランディング活動についても、お手伝いをさせていただけることとなりました。

また、新工場設立に向け、新卒採用パンフ「シオノリアンズ・ミッション」を制作。このパンフレットは、社員様からお聞きした「この仕事はゲームをしているような感覚がある」という言葉から、ゲームの世界観を取り入れたものとしています。

チャレンジをやめない、「成幸＝成長が幸せ」という考え方。シオノ鋳工様のビジョンは「１００年後も、成幸であり続ける」ことです。次世代を見つめ、常に新しい驚きを生み出すシオノ鋳工様とともに、私たちも、現在進行系で成長を楽しんでいます。