アイデンティティブランディング

面白いから、やる。
ものづくりへの好奇心が品質を高める
妥協のない技能集団。株式会社ヤマモト様

Yamamoto Inc. - Corporate Branding

板金塗装、そして装置開発という「ものづくり」の世界で、好奇心と美学を重視した経営を貫く山本社長。そんな社長がこれから先の未来を考え、経営理念を成文化することを決意されたことから、このプロジェクトが始まりました。

現状に甘えないための経営理念制作

株式会社ヤマモト様は板金・塗装のスペシャリストとして、高い溶接技術と美観にこだわった仕上がりクオリティ、精度の高い塗装技術に定評のある会社です。また板金・塗装での部品製造だけにとどまらず、主に製品の生産工場での効率化に貢献する自動化装置開発まで手がけておられます。

その技術力の高さから常に業務の依頼は絶えない会社ですが、山本社長は常にクオリティを高める姿勢でおられました。このことから、現状に甘えることがないよう、正式に経営理念を掲げて、会社全体の意識をさらに高めていこうと思われたのが最初のきっかけでした。

そして2021年9月より、社長、工場長を含む6名を選任いただき、プロジェクトチームを発足する流れとなりました。

一人ひとりの技能力・感性の高さ

プロジェクトでは様々な角度から自社を見つめ直します。自分たちの会社はどのような社会貢献をしてきたか。何度も取り組んできたことは何か。そのときに何を大切にしてきたか…これら過去の事実を客観的に見つめるのは、決して簡単ではありません。皆さん、「無意識」のうちに仕事をこなしているからです。

改めて自分たちの価値観を考えるのは難しいことでしたが、それでも社員様の中にも「会社の方向性は大事」という思いがあり、みなさん真摯に向き合ってくださいました。言葉を紡ぎ出すことに苦労しながらも、会社の特徴を表すキーワードは数々浮上してきます。

向上心、かっこよさ、柔軟性、好奇心、頼られること、できる自信があること、もっと品質を上げたい、ということ、そして、「オールマイティ」。 これらの観点から派生し、ヤマモトがお客様に貢献できるポイントは「全工程をワンストップで対応できること」と「短納期対応」という強みが浮上しました。あらゆる工程を1社で対応できる会社は比較的少ないとのこと。
では、なぜこれが可能なのか?という点を検討した結果、「一人ひとりの技能」そして美観や品質を諦めない「感性」が柱になっていることが分かってきたのでした。

「時代」に貢献する会社

数ヶ月のプロジェクトの末、会社の強みや価値観が徐々に浮き彫りになり、経営理念として成文化するための最終局面となりました。改めて問いかけます。「ヤマモトは、結局のところ、何に貢献しているのか。」

部品製造を短納期で対応したり、省力化設備などを開発していることから、産業を担う企業に貢献している。また、それらを通じて製造された製品は最終的にエンドユーザーに届くため、一般消費者にも貢献している。そしてもちろん、雇用という面で社員にも貢献している。
どれでもその通りでしたが、ヤマモトの「らしさ」を表す上で、決定的に集約された言葉が必要でした。

そんな中、社長が最終的におっしゃった言葉が 「時代」 でした。

ヤマモトは常に仕事の「面白さ」を求め、進化する過程で、常に時代の最先端のものづくりを支える仕事を担ってきたのです。作るものは、時代によって変わる。でもものづくりの面白さは変わらない。「ヤマモトは、時代に貢献している」という点は、この会社を表す上で非常に重要な観点でした。

経営理念の成文化

その結果、完成した経営理念が、「感性と技能で時代を満たす」です。

当初から「人間の感性にかなうものはない」とおっしゃられていた山本社長。「感性」という言葉には単にモノができればいい、というだけでなく、より美しくきれいに作り上げるという信念が込められています。

そしてもう1つの特徴が「技能」という言葉。多くの場合、経営理念には「技術」という言葉が用いられることが多いのですが、ヤマモトの特徴は技能集団、一人ひとりが高いスキルを持った人間の集まりであり、それを後世にも引き継いでいる点です。「感性」という言葉ともつながり、AIに代替できない人間ならではの技能の高さを表しています。

シンボルマーク「時代を満たす翼」

これらのプロジェクトを経て、最終的にシンボルマーク/ロゴタイプの制作へ。もちろん、マークには経営理念の考え方をふんだんに盛り込み、デザインとして反映させています。

最終的に完成したヤマモトのシンボルマーク。デザインコンセプトは「時代を満たす翼」。板金・塗装・組み立てといった事業内容を抽象化した図形を考案しながら、ヤマモトの頭文字である「Y」を忍ばせ、各時代を飛び回り、満たしていくさまを表現しています。

ヤマモト様のプロジェクトはその後、ウェブサイトのリニューアル、社用トラック、看板等へのロゴの掲示、求人用のCM制作など、様々な面に派生し、ブランディングが進んでいきました。

今後もヤマモト様は「ものづくりの面白さ」を軸に置き、各時代時代で、自社の感性と技能をいかんなく発揮されることと思います。

Work Details

プロジェクトチーム結成/会議ファシリテーション
経営理念策定/行動指針策定/タグライン策定
顧客価値分析/キャッチコピー開発
シンボルマーク・ロゴタイプ制作/コーポレートカラー策定
写真撮影/ウェブサイト制作/映像CM制作
会社案内パンフレット制作

株式会社ヤマモト

https://yamamoto-inc.jp/

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