大江です。いつもありがとうございます!
今回から、読者の皆様から寄せられたご質問に回答させていただきます。
(北近畿経済新聞コラム)
Q.
世界で知られる有名ブランドは、製品の素材や製造技術などの情報は明らかにしない
傾向があります。知名度が低い中小企業が自社ブランドを発信するには、
どこまでの情報を開示するべきでしょうか?
A.
織物業の方からのご質問です。
中小企業において、ブランドが認知されていない段階では情報開示は重要です。
世界の有名ブランドは、イメージで押すブランディングに多額の予算をかけていますが、
経営資源の乏しい中小企業には不向きなんですね。ただし、全てを開示する必要はございません。
どういう情報を開示すべきか?ですが、御社の製品にしかない価値について
「なぜその価値が実現できるのか」という根拠になる情報です。
この時、御社製品の中で、一番強い、中心的な価値に絞り込んで考えます。
逆にいうと、その一番の価値の根拠として〈直接的に〉関係のない情報は開示しなくて大丈夫です。
丹後の織物と比べるとグレード感は全く違いますが、ユニクロのヒートテックの価値は
「自分の体温で発熱するから、暖かい」です。なぜそれが可能なのか?は
それほど細かくは開示されていませんが、ユニクロのサイト上に図解付きで根拠が示されています。
あと業種は違いますが「dyson 構造」と検索すると、dysonの掃除機の価値である
「吸引力が高く、持続する」という根拠を証明するPDFを閲覧できます。
dysonの場合は単に説明するだけでなく、美しいビジュアルと共にその根拠を示しています。
製品はもちろん、情報開示においてもビジュアルの美しさは重要です。
ぜひ御社製品の独自の価値にフォーカスし、それを伝えるための根拠として
情報開示を考えてみてください。素晴らしいブランドとなることをお祈りしております。