大江です。いつもありがとうございます!
読者の皆様から寄せられたご質問に回答させていただきます。
(北近畿経済新聞コラム)
Q.
自社の売りになる特定の商品を表に出したほうがいい。と聞きましたが、
弊社が扱っている商品は1つだけではないので、特定の商品だけを強調して
アピールするのに抵抗があります。実際はどうなのでしょうか?
A.
ほとんどの中小企業、小売店、飲食店などでは、売りになる商品を強調して
表に出すのは、非常に有効な方法です。ブランディングの近道と言えるでしょう。
最大のお手本は「餃子の王将」です。王将は餃子以外のメニューが
多数ありますが、長年餃子を強調してきました。
100人中99人は「餃子」と聞くと「王将」を連想します。
とてつもないブランディング効果です。
これが「中華料理の王将」という言い方だったら、連想は極めて起きにくいでしょう。
ダイソンのような高価格掃除機を売るブランドでも、当初「吸引力」に
焦点をあててブランディングをしてきました。これが「掃除機ならダイソン」
と言われても、表現が抽象的で認知は進みにくいのです。
つまりポイントは認知のしやすさです。人間は、具体的でイメージが湧きやすく、
焦点を絞った情報のほうが記憶しやすい。抽象的であればあるほど、
他との違いが認識できず、御社を選ぶ理由になりにくいのです。
ここで1つの懸念が生まれます。「1つに絞ってアピールしたら
特定のものしか売ってないと思われるのではないか。」
でも王将は餃子しか売っていない、と思う人がどのくらいいらっしゃるでしょう?
実は消費者というのは非常に賢く、何か1つの商品を前面に出しているからといって、
商品が1つとは思いません。むしろ「こういう商品を扱っているなら、
○○もあるんじゃないか?」と勝手に想像するのです。
現代は情報に溢れています。御社が選ばれるとすれば、情報の洪水の中でも
他との違いが識別できるポイントが必要です。
御社の看板商品を前面に出すことも、ぜひ検討してみてください。