アイデンティティブランディング

「変えられない本質は?」 質問コーナー13

大江です。いつもありがとうございます!
読者の皆様から寄せられたご質問に回答させていただきます。
(北近畿経済新聞コラム)

Q.
ぶれないことを信条に高品質な商品づくりを行ってきました。
しかしSNSの普及で消費者が流行ものに飛びつく傾向が顕著になり、
リピーター確保が難しくなっています。
どうすればぶれない姿勢をアピールできるでしょうか?
(兵庫丹波の菓子製造業より)

A.
ぶれない姿勢というのは素晴らしいことと思います。流行に流されず、
かつリピーター(ファン)を獲得していくには、「変えること/変えないこと」を
明確にする必要があります。

まず商売というのは消費者のニーズに応え、変化していく必要があります。
世の中は変化するので、何十年も全く同じ製法・味・食感だとすれば、
いずれは売れなくなるはずです。一方で、ブランドを築くためには
ぶれない姿勢が必要です。
変化しつつ、ぶれない、それが「変えること/変えないこと」の切り分けです。

御社にとって「絶対に変えられない、ぶれない姿勢の本質」は何でしょうか。
こんな風に考えてみてください。
「ウチの仕事から、○○という部分を省いたら、もうウチの菓子とはいえない」。
それは、素材の選定基準かもしれませんし、製法の一部かもしれません。
お客様の「おいしい」の一言かもしれないし、安全な菓子である、
という観点も考えられます。

例えば素材の選定基準が変えられない本質なら、菓子の外観は大きく
モデルチェンジしても「ぶれていない」ことになります。
この本質は1つではなく、複数あるかもしれません。

絶対に変えられないポイントを、御社のメッセージとして
強く打ち出してください。

パンフレットやウェブ・SNSに記載したり、ポスターをつくって
店頭に飾ってもいいと思います。
これが、御社の菓子が何をもって高品質と言えるのか?の基準になります。
その代わり、変わってもいいポイントについては、今一度お客様のニーズを
丁寧に汲み取り、変化させるといいと思います。
これが誇りを胸に、売れる商品を育てる最大のポイントです。

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