アイデンティティブランディング

「関係性にフォーカスする」 質問コーナー17

大江です。いつもありがとうございます!
読者の皆様から寄せられたご質問に回答させていただきます。
(北近畿経済新聞コラム)

Q.
現場を息子に任せている飲食店経営者です。
緊急事態宣言で休業中で、今のうちに何かしなければと息子に
話すのですが、思うように動いてもらえません。
どのようにコミュニケーションすればいいでしょうか。
(丹後の飲食業より)

A.
家族経営だと特に難しさがあることと思いますが、
仕事上のコミュニケーションの原点に帰ってみてはいかがでしょうか。
その原点とは「受け入れるのが先」ということです。

経営者様は現状を見て問題意識を持ち、改善策を見出すのが仕事ですので、
何か指示をしたくなるのは当然だと思います。

従業員がその指示を聞いて動ける状態であれば問題ありませんが、
そうでない「関係性」の場合は、経営者→従業員、という指示のベクトルではなく、
従業員→経営者という受容のベクトルを意識するといいでしょう。

つまり従業員、この場合息子さんが、現状をどう捉えているのか、
休業になるまでの間に何を感じていたのか、不満・不安・不便などを感じていないか、
改善したい・やり方を変えたいと思っているところは無いか…、
などを知り、現状の思いに共感することが先、ということになります。

コミュニケーションは「聞く」ことから、と知ると、質問攻めにしてしまう
経営者様も少なくありません。
質問が尖すぎると、相手は受容されていると感じにくくなります。
まずは「お店のこと聞いていい?」というくらいのところからパーミッション
(許可)をとり、何も提案しない、何も指示しない、ことを前提に、
現状把握のみに徹してみてはいかがでしょうか。

「それでは何も改善しない!」と思われるかもしれませんが、たいていの人は、
現状の不満が解消されると、次の行動の意欲が湧いてきます。

具体的に新しい行動を始めるのはそれからのほうがはるかに効率よく進むでしょう。
まずはぜひ、息子さんとの関係性にフォーカスしてみてください。

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