コロナによって、社会は大きく変化してしまいました。
ですが、誤解を恐れず、お話しますと、あくまで「私個人」は、実はコロナの影響、というのをあまり強く感じていないんです。多大な影響を受けている方に大変申し訳ないのですが、、ちょっとその意味について、考えてみたいと思います。
一言でいうと、「物理的接触から、精神的接触へ」です。
これまでの、物理的接触
精神的接触が重視されるようになった、ここ20年、私の仕事は、大半がオンラインで完結しますので、飲食業の方などと比べると影響が小さいのは当然のことです。
ですが、今回考えてみたいのはそういう事ではないんです。
コロナの影響を強く感じている人というのは、「物理的接触」に重きをおいてきた方、「物理的接触」が必要な事業分野で働いている方、だと思います。
例えばですが、仲間とワイワイ飲み会をしたり、おしゃべりが大好き、という方。仕事の上では、飲食業観光業はもちろん、エステや整体などのサービス業を筆頭に、、、、
影響をいち早く受けるのは、おしなべて「物理的接触」に重きをおいている世界で生きている人たちです。
精神的接触を重視
対して私はというと、もともと飲み会が苦手、大声でしゃべる人が苦手、人混みが苦手、、、など、もともとからコロナ禍で避けるべき環境が苦手でした。
かといって私は人間嫌いではありません。むしろ、人間臭いのは結構好きです。
でも私は、人と人とのつきあい方、というものが、物理的接触の世界で生きる人と違っていると思います。
その特徴を「精神的接触」という事にします。
直接顔を合わせて、をそれほど重視はしていないけど、心の通い合いはかなり重視しています。
直接人と顔を合わせて、ということを、積極的にはできないけど、人の心にダイレクトに触れようとする「精神的接触」は、今後さらに重要になります。
そして、精神的接触が重視されるようになってきたのは、コロナ禍よりも、ずっとずっと前からです。私の感覚ですが、やはりインターネットの普及、さらにSNSの普及と連動していると思います。2000年ごろからでしょうか。
それに加えてコロナの影響で、さらに加速しました。
精神的接触が満足度を向上させる
精神的接触とは、どういうことでしょうか。顧客にもらしている「満足度・幸福度・納得度」が高い会社というのは、精神的な接触がうまくいっている会社です。
気持ちが晴れやかになる、心が温かくなる、元気が出てくる、例えば、そういったことです。
飲食が分かりやすいので、飲食で考えてみます。
スターバックスとドトールでは、ドトールのほうが売上の減少が大きかったようです。どちらも、都市部の結構似たような場所にあることが多いです。私の感覚で見ると、スタバは明らかに精神的な接触で売り、ドトールは物理的な接触で売っています。
ドトールは便利で早い、コーヒーチェーンの中では、マクドナルドに近い印象。利便性を重視しています。この場合おそらく、コンビニのコーヒーも競合になります。
スタバは、コンビニのコーヒーは、それほど敵ではないでしょう。あの空間、店員さんと接するときの感触、スタバのロゴ入りのカップを持つ妙な満足度、そして、決して安くはないが、香り高いコーヒーや他にはないフラペチーノの魅力があります。
情報や思いを共有する
そして、物理的な接触で売る会社は、「宣伝」に走ることが多いです。
自分たちの商品をアピールする、情報発信・広告してとにかく知ってもらい、人を呼び込もうとする。言うなれば「プッシュ型(押し型)」です。押して押して、説得する。言う、発信する、知らせる!自己主張型です。
対して、精神的な接触を売る会社は、あまり宣伝に重きをおきません。宣伝ゼロで顧客が来るのが最強です。リピーターが多く、評判がよければ徐々にそうなっていきますね。
つまり「ブランディング」です。
大切なのは、商品サービス1つ1つに丁寧にこだわり、他にはない体験を生み出すこと。その商品やサービスが生まれるプロセスや、なぜこれを作ったかを知ってもらったり、それを体験してもらうのに最も適した環境は、どんなものかを丁寧に掘り下げていきます。
言うなれば「プル型(引き型)」です。
まず人の心の声に耳を傾ける。話を聞く。自分から相手を知ろうとする。その上で、相手が知りたいことを丁寧に伝える。
多くの人の心を汲み取った上で、宣伝ではなく、ストーリーを伝えるようにオンラインで発信していきます。ネットやSNSを通じた、精神的な接触です。
直接会う以外でコミュニケーションを取るのが苦手な方には、つらい時代だと思いますが、、、
人との間で情報や思いを共有していく、という本質は、コロナ禍でも変わらないので、ぜひ「精神的な接触」について、考えていただければ幸いです。
(大江 祐介)